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公安刑事3

公安刑事3.

 私は盗み聞きをしていたのが、見破られたと思い逃げ出しそうになった。刑事はうちポケットに手をいれ財布をだし真新しい500円札をすばやく嫌がる私の手に無理に(本当です)握らせた。思わぬ展開に驚いた私は家の中にいる母を呼んだ。「もらったよ」とおずおず母に告げると、母は血相を変え「返しなさい」と私に命令した。刑事に向かって「こんなんされたら困るわ。ほんま困るわ」と断固言った。しばらく母と刑事は押し問答をしていた。刑事は「遅いけどお年玉やから・・・マアマア・・・」。母の剣幕に私は罪悪を感じて見守っていたが、刑事の「お年玉」という大儀名分に納得して、500円札をしっかりポケットに入れ秘密の基地へ走り去った。

 この時代、私の小遣いは日に10円玉をもらい駄菓子屋に行った。毎日くれるわけではなく週に2~3回だから1ヶ月で100円ぐらいだ。祖父はお年玉を50円(今の500円銀貨ぐらいの大きさ)くれた。100円札(板垣退助)をくれる伯母は観音様だった。この日、私は「棚からぼた餅」という教訓を胸に刻んだ。

 後年、私が大人になってから母に「岩倉具視公お年玉事件」の事を話すと「あの時はなあ、あとでものを買って返したんよ。一ちゃん(筆者)は500円握って放さんし、もらいっぱないしだとやっぱり具合が悪くて・・・そのうちズルズルとスパイにでも仕立て上げられるかもしれんからなあ・・・」と懐かしそうに笑った。 続く

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