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指揮官の決断 満州とアッツの将軍樋口季一郎

 本日、文春新書の新刊、満州とアッツの将軍樋口季一郎「指揮官の決断」を買ってきました。著者の早川隆氏には昨年6月淡路島に来られたとき、取材を受けたので、発刊を楽しみにしていました。

 樋口の本格的な評伝がでるのは、今回初めてのような気がします。今ざっと斜め読みした程度ですが、よくかけていると思いました。父がよく言っていたのですが「樋口の伯父さんは右翼に人気がある」と・・・20年ぐらい前から樋口の業績が世間に注目されることが多く、父は生前マスコミによく取材を受けたりしていました。その事が報道されると右翼らしき人物から電話がかかってきて「誉め殺し」と言ってよいほど賞賛される。その事自体は親族として決して悪い気がしないのですが、あまり誉められると、ちょっと違うような気がする。そんな複雑な想いを父も持っていたようです。

 「指揮官の決断」のあとがきで著者は次のように書いています。

戦後の樋口の心の中にあったのは、オトポールよりもアッツ島ではなかったかということだ。ユダヤ人救出劇の主役として、時に英雄視される樋口だが、その心の奥底には、決して癒されることのない苦哀が、ずっと静かに沈殿していたのではないか。

樋口はオトポール事件、あるいは占守島の戦闘に関して自らを「善」として誇示することをしなかったが、アッツ島については自身を「悪」と位置づけ、それを一人で抱え込み、英霊にぬかずき、苦悩し続けたように思う。

 将は指揮ひとつで兵を死地に追いやる存在ですので事実を一面的にみて英雄視するだけではその人物を描ききれないものです。樋口の人間的な魅力を正確に書いていると思いました。皆様にも一読お勧めします。

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コメント

本書を先日私も読ませていただきました。樋口季一郎氏の実像を過不足無く実像を伝えようとする早川隆氏の姿勢に好感が持てました。ご家族の方にも事情を詳しく話せない樋口季一郎氏はさぞ苦悩された事でしょう。

コメントありがとうございます。樋口は軍人というより文化人といった方が似合っています。そして情の人でした。

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