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尖閣諸島での中国漁船衝突・拿捕事件について

 9月7日、尖閣諸島で中国漁船衝突・拿捕事件が発生し、中国の日本大使館にデモ隊が繰り出し抗議活動をするなど日中間が緊迫しているが、中国当局は報道統制をして尖閣諸島問題に大衆が関わらないように押さえにかっている。その一方、日本には船長のl釈放を強行に要求し、東シナ海でのガス田問題の交渉を中止して掘削作業に踏み切る姿勢を見せている。

 日本政府の菅首相が、掘削作業に踏み切れば対抗措置をとると、日本単独の試掘をする話を匂わせている。このままお互いに強硬姿勢が続けば日中関係は決定的に悪化するだろう。本日9月20日の神戸新聞によると中国漁船の船長の拘置延長を受けて中国外務省は閣僚級の交流停止を通告してきた。

 領土問題はその国のナショナリズムを刺激して、冷静さを失い相手の言い分を聞かなくなる。日本は法律にに基づいて逮捕したと言うだろうが、そもそも台湾や中国は尖閣諸島が日本の領土と思っていないのだから、逮捕は違法だと思っている。蓮舫大臣が「領土問題が根底にある」と言っただけで訂正を迫られる、この国には冷静さがあるだろうか。

 日本の政府、マスコミ、国民、ネットなどの意見のほとんどすべては尖閣諸島は日本の固有の領土であり、中国漁船は巡視船に体当たりして公務執行妨害をしたのだから逮捕されて当然であると思っている。自分達に正義があり相手は違法だと思えば妥協はありえない。国民は相手国に毅然と対処する政治家を支持する。私も日本に暮らして日々日本のマスコミの影響を受けている。日本のマスコミの書いているのを見る限り日本が正しくて中国が一方的に悪いと思ってしまいそうになる。しかし日本が絶対に正しいなどと言いながら聖戦を戦って破滅に陥った戦前の例を見るまでも無く、社会全体が一つの意見にまとまる時ほど怖い時代は無い。

 田中宇の国際ニュース解説「日中対立の再燃」http://tanakanews.com/100917senkaku.htmによると日本のマスコミが流している日本が正しく中国が違法という考えと全く異なる事件の全貌が見えてくる。田中宇氏の解説の中で核心の部分は次のところである。

日本の海保は、中国漁船を監視する巡視船を尖閣周辺に配置してきたが、トウ小平以来の日中間の領土紛争棚上げの合意もあり、これまで日本側は尖閣領海で、台湾や香港の船を激しく追尾しても、中国の船を拿捕・逮捕したことはなかった。日本も中国も、民間に「尖閣(釣魚台)を守れ」と主張する政治活動家がいても、政府としては対立を避ける姿勢を互いに採ってきた。その意味で今回、日本の当局が中国の漁船を拿捕し、船長を起訴する方針を固めたことは、日本が政府として中国との対立を決意する、対中国政策の劇的な大転換を意味する画期的な動きである。

事件後、中国当局は、尖閣周辺で操業する中国人漁民を保護するため、準軍事部隊である漁業監視船を派遣することにした。史上初めて、日本(海保)と中国(農業省傘下の漁業監視船)の軍事的な部隊が、海上で対峙する状況が生まれる。日中交戦もあり得る事態だ。戦後65年なかった、日本が戦争しうる事態がぐんと近づいた(鬼畜米英の代わりに中国の脅威が喧伝される)。尖閣諸島は、南沙群島や黄海とともに、中国と、米国に支援された周辺国が対峙する、世界的な海上紛争地域(対中包囲網)に格上げされた。

今回の件は日本のマスコミで、中国漁船の不法行為を当然の行為として日本の海保が取り締まり、それを不当にも中国政府が非難していると報じられている。しかし従来の日本当局は、中国漁船を追いかけても、追い詰めて逮捕起訴することはなかった。今回の逮捕起訴劇の重要点は、漁船の行為や中国の反応ではなく、中国が怒ることを知っていて逮捕起訴する日本政府の能動的な政治意志である。なぜ今、日本が中国を怒らせるかが重要だ。

 日本は中国に「冷静に」などと余裕をもった言い方をしているが、田中氏の解説では戦争の危険があると警告している。今日の神戸新聞には「陸自1万3000人増員検討、38年ぶり規模拡大、尖閣問題対応も視野」という記事もある。冷静になるべきは日本ではないか、今後もこの問題を注視したい。

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