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2010年11月

元「義勇軍」の渋谷京介さん来宅

 11月7日に五色町でシベリア抑留の体験を話された、渋谷京介さんが来られて話をしました。渋谷さんは私の父と満蒙開拓青少年義勇軍の同期で、一緒に満州に行きました。戦後シベリアに2年間抑留され、淡路島に帰郷して現在に至ります。去年も開かれた戦争体験講演会で親しくなり、貴重な体験を伺いました。戦争体験というのは被害体験は誰でも言えるが、加害体験は肉親にも隠しておきたいと言うのが普通の心理です。私の父もそうですが、晩年にやっと聞けたことを渋谷さんからも裏打できました。満州では15~16歳の子供でも銃をもって満人(中国人)を脅かす事ができた。「敗戦で、それまで中国人やソ連人が奴隷だと思っていたのが逆転した」と率直に語ってくれました。

漁師の話から中国漁船衝突・拿捕事件を考える

 知人の漁師に衝突したときの中国漁船のスピードを聞いたところ、12~13ノット(約20キロ)ぐらいだろうと言っていました。牧歌的なスピードです。チャリンコでも出るスピードです。まず衝突したとき、時速20キロというスローなスピード下で起こったことを確認したいと思います。
 「みずき」がUターンして漁船の前に躍り出てそのまま漁船のやや前に位置して併進していたときから、衝突まで中国漁船は速度を上げた形跡はありません。というより上げる能力が無いのです。逆に「みずき」が速度を下げたことは確実です。あるテレビの解説者は黒煙を漁船が速度を上げた証拠だと言っていましたが、濡れ衣です。あの黒煙はエンジンが高回転していることを示している。ウオータージェットは速度を落とすとき逆方向に噴射するのでエンジンは高速回転したままで、軸スクリューも逆回転している。
ならんで、やや漁船が後部にいた状態で左に舵を切っただけでは当たらない、速度を上げるか、「みずき」が速度を落とすかどちらかです。全速(時速20キロ)で走っている漁船はそれ以上速度を増す余力はない。対する「みずき」はUターンした直後に漁船に近づくため幅寄せしながら急制動をきかせて速度を落とした。急に割り込まれた漁船は止まれないため舵を切った。

 私の周りには漁師や客船の乗務員、運搬船を持っている人など色々いますが、意見を聞くと、中国漁船の速さは「改造していない限りあんなもんだろう」という事です。漁船で早いのは運搬船で35ノット(鮮度優先)は出る。遠洋、近海、沿岸、マグロ漁、カツオ漁、イワシ漁、イカナゴ漁、イカ釣り・・・さまざまな目的でエンジンは皆違う、最近の傾向として燃料代が高くつく早い船は好まれなくなっている。ウオータージェットの漁船もあったが、メーカーは作るのをやめている。モグリ(密漁)の船はかなり早くて40ノットは出る。
 モグリなど密漁を取り締まる組織は日本では水産庁で、海上保安庁は協力をするが、管轄が違う。農水省へ勤めている友達の話だと、水産庁の漁業取り締まり船は遅いので、モグリを捕まえるときは積んでいる性能の良いモーターボートをおろして捕まえに行くとのことです。

 中国では、この漁業取締船と同じ役割をするのが漁業監視船で産経新聞などは尖閣の接続水域にきただけで、まるで蒙古襲来のように騒いでいますね。この時期中国漁船はカワハギ漁で大勢来ている。今、尖閣問題で日本がピリピリしているので中国は揉め事をこれ以上起こしたくない。それで自国の漁船が来るのを監視している。中国漁業省の監視船は日本の水産庁の船と同じ非武装ですね。
日本の漁船はカツオ漁、で少ない。カワハギは大衆漁で値が張らないので高い燃料代を使ってあわないのだろうか。数年前漁船の燃料A重油が高騰して漁に出られなくなり、漁師が漁船でデモをしたことがありますね、現代漁業は元手がかかる。

 漁船の速度、燃料代の関係を考えると、普通の漁船は軸に変速機がついていないので、スピードの出るエンジンを積むと燃料代が高くつく。それで中国漁船の場合コスト優先で遅いのだと思います。中国船衝突・拿捕事件が起きたときスパイ船だとか工作船の噂が流れた。(いまも信じている人はかなり多い)マスコミ報道が扇情的で、能力の無い普通の漁船が何故、20ミリ機関砲で武装されている巡視艇に体当たりするのか?という疑問のためだ。スパイ船ならやりかねないと。もし事実なら那覇地検が取り調べたときにわかる。発表すれば中国の立場が無くなる。国際的に弁解できない。日本は堂々と送検できる。よってスパイ船というのはデマ。

 私が今回の事件で中国船が「体当たりしてきた」という、マスコミ報道に疑念を抱いたのは生活実感からです。10月28日付けの産経新聞によると漁船は10ノットで航行していて12~13ノットに速度を上げて巡視艇にぶつけたと書いていますが、この記者さんの速度感覚の無さは江戸時代の人と変わらないのではないでしょうか。自転車や車にのれば、時速20キロがどの程度ぐらいはわかるでしょう。衝突前10ノットが12~3ノットに加速したというのは、なんではかったのでしょうかね。レーダーで速度取締りの場合、2割の速度差は誤差の範囲です。40キロ制限を取り締まる場合51キロ以上出していないと捕まえない。また漁船の場合普通20ノットの速度が出るように書いてあるが、これは一般的な場合で、中国船がそれだけ出るという事ではない。産経もかなり意図的に書いていますね。私はビデオで中国船の航行を見ていて、一番煙突から煙が出ていたのはスタートしたときでした。走り始めると煙は薄くなる。このエンジンの特性は低速域でトルクが強く、.元々速度域が狭いので高速と言うほど早くならないが、走り始めるとトルクが少し弱くなる。したがって全速航行をしていて衝突直前、加速をするだけの余力は無かったと思います。

 

「尖閣ビデオ」流出報道の問題点、神戸新聞の場合

 この2ヶ月余りの「尖閣狂騒曲」は海上保安庁の撮ったビデオ流出で一つの山を越えたが、関与を認めた保安官はいまだ逮捕されず、週刊誌のインタビューを受けるなどして事件そのものが政治的なショーになり、問題の本質から離れていくようだ。流出させた当人の意図は明白で、「暴支膺懲」中国の非を天下に知らせしめるためであろう。大多数の日本国民はその意図どおり、ますます中国に怒りを向けている。だがずさんな「宣伝映画」は、編集意図に反し、ほころびも見える。冷静に見れば衝突の1回目も2回目も「漁船が眺発して、体当たりしてきた」ようなものでは無く反対に巡視艇が漁船を捕まえようとしておきたアクシデントで、ただの拿捕事件である。

 私が子供の頃、北方領土付近の海で北海道の漁船がしょっちゅうソ連の警備艇に拿捕されていた。鰯の顔のようなグロムイコ外相が「クリル諸島に領土問題などない」と今の前原外相のようにふてぶてしい態度で一蹴していたのが思い出される。今回拿捕された中国の漁師も北海道の漁師と立場は同じだ。日本のマスコミは魚を追って漁に来ただけで、極悪人のように言っているが、漁師は「そこに魚がいるから取りに行くのだ」泳ぐ魚に国籍など付けられない。かつて領海3カイリ時代、日本の漁船は船団を組んで世界の海を渡り歩き乱獲を非難された。

 私は40年以上神戸新聞をを愛読しているが、尖閣報道があまりにもひどいので11月6日付けの紙面をネタに新聞の「客観報道」なるものを批判する。

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 第1面に「尖閣沖ビデオ流出」と大見出しがあり、記事の囲みに5枚の中国漁船の連続写真が載っている。2回目に「みずき」と衝突したときの、テレビでも頻繁に垂れ流されたビデオの静止画だ。ここの映像だけ見ると漁船が巡視艇を追いかけてきて体当たりをしたような感じを受ける、しかしこの前段があって「はてるま」からの客観的なビデオには「みずき」が漁船の前でUターンするのが映っている。(このビデオはテレビで放映されていない)

60116 漁船の前でUターンする巡視艇「みずき」「はてるま」から撮った静止画

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 三面記事を見てみると、一面の上から3枚目の巡視船と衝突した場面が一段と大きく載せられている。この画像をみて最初映画「ジョーズ」を思い出した。凶暴な鮫が襲い掛かってくる構図だ。そこには「中国船旋回し体当たり」と大見出しが付けられている。この表現は印象操作で左に舵を切ったと言うところだ。「旋回」はその前段に両船が対向したとき漁船の前で「みずき」がしたことをさす。「旋回」したのは巡視艇「みずき」で「中国漁船」は直進してきた。このあと両船は並走して、「みずき」が捕まえるため速度を落として漁船に幅寄せする過程で衝突が起こる。

60130 「みずき」が漁船に幅寄せしている。「はてるま」から撮った映像。

60155  衝突後「みずき」が急加速で漁船から離れる。黒煙と水しぶきに注目すると漁船と比べ物にならない高性能の巡視艇であるのがわかる。かなり荒っぽい操船で「高トルク」でエンジンは廻っている。この高性能の「みずき」に後ろからぶっつける能力を漁船は持っていない。「はてるま」から撮った映像

 このときの衝突の写真は、黒煙や水しぶきがまるで漁船から出ているように映っているが、「みずき」がだしたものだ。

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 記事の横に衝突時の状況図が書いてあるが、1回目の「よなくに」との状況図には「よなくに」が漁船の前に入り込み進路を妨害している事実を伏せている

 2回目の状況図をみると平行してやや前を走っていた「みずき」に、漁船がスピードをあげ左に曲がり当たったかのように示しているが、前段階の「みずき」が並走しながら漁船に幅寄せした事実が抜けている。「みずき」がスピードを落としたため当たった可能性もある。赤矢印で書かれたその後の両船の進んだコースも間違って書いている。「みずき」は左に進んだように書いてあるが、事実は急速に漁船から離れ右方向にカーブした。

60209_2  衝突後の「みずき」の進路。

 相対する動体の一方から相手を見ても客観的な動きはわからない。まして映像に一方の当事者のナレーションなどつければ、それだけで第3者は予断が生まれる。「みずき」や「よなくに」から撮った「主観的尖閣ビデオ」の映像は「だまし絵」である。洪水のように流された「ビデオ流出報道」の欠陥は「みずき」の主観的映像のみを流していることだ。漁船拿捕事件は「はてるま」からとった客観的映像を見ることにより実相がわかる。

 この神戸新聞の記事に限らずテレビ局の報道も。ビデオの一部分の刺激的な映像とナレーションに踊らされたものが多い。新聞記事やテレビを見た読者もまともに全体のビデオの映像をみないで憤る。この編集されたビデオでも注意深く見れば、中国船が「挑発的に暴れて当て逃げ」したのではないことがわかるので中国政府は歓迎しているのではないか。このほかの編集されていないビデオも公開されるともっと真実がちかくなる。

 今回の事件の本質は、これまで暗黙のうちに日中で合意されていた「尖閣領土棚上げ」を日本が破り、主導的に警備艇が漁船を捕まえたことだ。日本国民はマスコミにあおられないで、冷静にビデオの全体をみて、ことの本質を考え悪戯に反中国感情に流されてはならない。

参考サイト:孫崎 亭ツイッター    ni0615さんのブログ  

続尖閣沖流出ビデオを見ました

 昨日の記事に巡視艇「はてるま」から撮った画像を追加しました。静止画像を取り込むソフトを持っていないので急遽デジカメでパソコン画面を写して取り込んだので綺麗に撮れませんでしたが、衝突まえのようすが少しわかると思います。それにしても「はてるま」の客観的な映像はテレビに全く流れませんね。この「はてるま」の映像を見ないで、「みずき」から撮った映像ばかりみていると事実がわからなくなります。「みずき」は逃げまわる「とろーい漁船」を停止させようとかなり荒っぽい操船をしています。中国漁船の前にまわりこみ急制動をかけたり、急発進したり・・・その証拠はあのもくもく上る黒煙とスクリューの水しぶきです。高出力のディーゼルエンジンでエンジンブレーキをかけたり、低速域(高トルク)で運転するとああなります。ハンター「みずき」は獲物「中国漁船」を捕まえにいっているというのが現実です。つまり当たったのは漁船が左に舵を切ったのが原因ですが、そこに至るプロセスは「逃げる漁船」「追いかけるみずき」という状況の中で起きたことなので、漁船が意識的にぶつけにきたと言えないのです。ぶつけて転覆する恐れがあるのは弱い漁船のほうなので、追い詰められて操船ミスをしたというのが自然な見方だと思います。 

 元外交官の孫崎亭さんは係争地での法権力の行使はよほど慎重にやらないと紛争に発展してついに戦争になると中ソ紛争を例にだして警告しています。

尖閣沖流出ビデオを見ました

衝突ビデオは「政治宣伝映画」

 先週末に「尖閣沖流出ビデオ」で世間は大騒ぎをしておりましたが、私はテレビで頻繁に放映しておりました巡視艇「みずき」の衝突場面だけ見ていました。これだけ見ると、漁船が急に左へ舵を切って故意に衝突したように見えたのですが、さきほど、一回目の「よなくに」との衝突や、「はてるま」から見た二回目の「みずき」との衝突をみると、「極悪な中国漁船が」一方的に巡視艇にぶつかってきたと言うものではないと思いました。一般のマスコミ報道はかなり偏向していますね。

P1010605_4 衝突前に「みずき」(左)が漁船の前でUターンしているところです。停船させようと急角度で漁船の前に突っ込んでいます。「はてるま」から撮った映像です。

P1010622 Uターンした「みずき」が漁船の前に躍り出て停止させようとしています。この後、衝突が起こりました。同じく「はてるま」から撮った映像です。

 二回目の衝突映像で「みずき」のやや後ろに並走していた漁船が左に舵をきってぶつかるとき、黒煙がもくもくとあがりますが、テレビの解説者は漁船がスピードを上げてぶつかってきたと説明していましたが、嘘ですね。あれは「みずき」の黒煙です。「みずき」船上から撮った主観的な映像は縦方向に二隻連なっているので、黒煙がどちらの船かわかりにくいのですが、注意深く「はてるま」から撮った客観的な映像を対比すると漁船の馬力と巡視船の馬力はまるで違うので、スピードの遅い漁船は煙の吐き方が薄いのがわかる。「みずき」が衝突したあと急速にスピードを上げて見る見るうちに漁船から離れますが、そのときの「みずき」の勢いよく上がる黒煙をみれば漁船と巡視艇の圧倒的な性能の差がわかって、動きのにぶい中国漁船が巡視艇にもてあそばれているのでは無いかと思われるほどです。もし中国漁船からビデオが撮られていたなら全く逆の印象の映像が映っているでしょう。

 最初の衝突など小さな小さな中国漁船の前に戦艦ほどの「よなくに」が停船を命ずるため進路を妨害して、さけきれなかったのが事実だと思います。マスコミは「極悪スーパー中国漁船が暴れまわっているのを、耐えに耐えていた正義の巡視艇がやむなく逮捕した」ような報道ばかりしていますが、事実は四隻の巡視艇で逃げ惑う小さな中国漁船をいたぶり拿捕したという事です。漁船が巡視艇にあてたから逮捕したのではなく、逮捕しようとして、窮鼠猫をかむように「あてられた」か、もしくはあてるように「仕向けた」のでしょう。

 私はかつて映画青年でエイゼンシュタインの「戦艦ポチョムキン」やナチスのリーフェンシュタールの映画をよく見ましたが、今回の「みずき」のナレーション付き衝突ビデオは典型的な「政治宣伝映画」ですね。編集でいかようにも「事実」を作ることができるという事です。運動会でビデオを撮ったことがある人なら風のうるさい音がはいって悩んだことがあると思いますが、海上でとったビデオにあんな明快なナレーションがどうして入れられたのでしょうか。この流出ビデオで「極悪な中国」に怒りを燃やす人は戦前のナチスドイツ第三帝国や大日本帝国の国民レベルだと言えるでしょう。

 船の航跡や大きさの対比などを交えてni615さんのブログがわかりやすい解説をしていますのでぜひご覧下さい。

本質は中国漁船拿捕

 現在マスコミはビデオ流出の犯人探しや犯人を英雄視する動きを報道していますが、ことの本質を見誤るものです。本質は「尖閣」の領有権を日本が確定するため国家意思で中国漁船を拿捕したという事です。衝突はそのため副次的に起こったことで、本質ではありません。ましてビデオの流出はさらに本質から外れることで、その過程で犯人を英雄視するのは日本国民の反中意識がさらに高められていく危険なことだと思います。

シベリア抑留の話を聞いてきました

 11月7日、「極寒・飢餓・重労働のシベリア体験抑留体験を語る」と題された講演会を聞いてきました。昨年、満蒙開拓団の話をされた渋谷京介さんと同じ五色町に住む岡本清さんの二人が講演されました。シベリア抑留を体験された人は淡路島でもまだまだ健在ですが年少の方でも80台半ばに達しようとしています。渋谷さんと話していて思ったのですが、日本人はかなりしたたかに生きてきたと思います。死体になった同僚を埋葬するのに裸にして腕時計をくすねてロシア人とパンを交換する。「腕時計一個で一ヵ月分ぐらいの食料と交換できた」なんてことを笑いながら話す渋谷さんはすごいと思います。直ぐに文章がまとめられないので、今日はとりあえずここまで。

洲本市五色町でシベリア抑留の体験発表会があります

 昨年11月に満蒙開拓団の体験発表会が洲本市五色町鮎原南谷の公民館で開かれ、私も参加してJANJANに「満蒙開拓団の過酷な実相」を書きましたが、今年も同公民館でシベリア抑留をテーマに開かれます。

 昨晩主催者の高部さんから11月7日(日)1時30分から開催されるとの連絡を受けましたので行ってきます。講演者は昨年、満蒙開拓団の話をされた洲本市五色町広石在住の渋谷京介氏ともう一名が発表されるそうです。渋谷氏は私の父と満蒙開拓青少年義勇軍で同期だった関係で昨年の体験発表会の後、自宅にお伺いしていろいろな話を聞きました。そのことも含め今回の講演をこのブログで書きたいと思っています。

文化の日に淡路人形浄瑠璃を観てきました

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五条橋

11月3日三原総合文化祭に行ってきました。出演した淡路人形浄瑠璃青年研究会の演目が「五条橋」でビデオと写真を撮っていました。鬼一法眼三略の巻「五条橋の段」は牛若丸と弁慶が出会う有名な場面ですが、人形浄瑠璃の筋書きはちょっと違っていて、牛若丸が夜な夜な五条橋で父の供養に千人斬りをやっているという設定です。それを聞きつけた弁慶が「悪者」を成敗するために来たところ「糸より細き女姿」の牛若丸にコテンパンにやられ、ついに家来になるという話で、牛若丸と弁慶の役柄が逆転しているのです。人形芝居ならではの活劇で、剛勇無双の弁慶が女のような牛若丸に手もなく、翻弄されるのが、こっけいで老若男女、文句なく楽しめます。

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 私も「現役」の頃牛若丸の主遣い(頭)をやっていました。「青年研究会」のレパートリーに取り入れたのが20年ぐらい前で、そのころ淡路人形芝居の演目にどこもやっていなかったので何もわからず、お師匠さんが持っていた古い古い、昔のビデオを観たり、文楽を参考にしながらも独自の演出も考え、試行錯誤で徐々に今の形に完成しました。

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内子文楽の五条橋 

 牛若丸と弁慶が初めて出あったとき、弁慶がなぎなたで牛若丸に切りかかる場面があるのですが、牛若丸がパッとかわし被っていた薄絹を弁慶のなぎなたに、かけて煙に巻きます、この場面人形遣いの左手が薄絹をかけるのですが、簡単そうで難しいので時々失敗します。私もよく失敗しました。

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 10年ぐらい前に「内子文楽」を観に行った時の事です。演目が「五条橋」だったので気合を入れてみていました。件の場面、まさかの失態、かけた薄絹がなぎなたからふんわり落ちてしまいました。文楽でも失敗はあるのですね。ちょっと気が楽になりました。この時テレビ放映をするためNHKがきてカメラをまわしていました。

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 番組予告をしていたので、帰ってから放映を楽しみにしていましたが、予告していた日の番組欄に乗りません。やはりあの場面は素人でもわかる失態ですから、ついに放送されなかったようです。文楽座がNHKに放送中止を申し入れたのかもしれません。

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