補遺父の15年戦争

日本軍の兵は頑強だが将官は無能

ノモンハン戦争の立役者で第二次大戦のソ連邦英雄ジューコフ元帥は日本軍のことを、「兵は頑強である、将校は狂信的だ、しかし高級将校は無能である」と評している。このことを父に知っているかと尋ねたところ、笑いながら「そうか、そんなことをジューコフは言っていたのか、その通りだ」と肯定した。

1945年8月15日父の所属する関東軍機動一連隊の教育隊は牡丹江から南下するソ連機甲師団を鏡泊湖(きょうはくこ)湖畔で待ち受けていた。父の15年戦争1関東軍の特攻

ポツダム宣言を受けて本体はすぐ撤退を始めたのだが、父の中隊だけが残され特攻命令を受けたのだ。父の15年戦争8月15日の特攻

大戦末期、日本軍は継戦能力が全くなくなったにもかかわらず。絶望的な特攻戦術で若い兵士を無駄死にさせていた。父は若者たちに死を強制し自らは戦後も生き延びた無責任な軍の指導者に強い憤りを持っていた。

「ソ」軍の外形的装備は概ね整い特に戦車、飛行機、化兵部隊等の数は躍進的に増大せりと雖も其の質は必ずしも良好ならず、又幹部及び兵の素質は一般に低級なり精神的威力に於いて特に然り 国民は久しきに亙る特殊の環境に支配せられ隠忍盲従殆どその性を成し労苦艱難に耐え服従心に富むと共に一面事大思想に馴致せられ強者に対しては実力以下に怯えなるも弱者に対しては実力以上に勇敢なり ーーー昭和14年発行財団法人軍人会館出版部発行 「ソ」の常識 要旨より

この書籍は1936年版赤軍野外教令をもとに、日本軍の幹部教育にソ連軍の編成、装備、兵器、戦法、陣中勤務に関して、編集された。資料も最新で図面や表、写真、絵なども豊富でかなり充実した内容を持っている。しかしこの要旨はあまりにもソ連の軍人を侮った言葉だ。

戦争で相手を敬う必要はないけれど、日本軍は必要以上に敵を馬鹿にする。中国軍にも一撃を与えればすぐ降参すると思っていた。この思いあがった態度が、無敵関東軍を崩壊に導いた。

2024年2月
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